授業研究会(教員対象)

更新日  令和5年4月18日

1 テーマ

「 認め、励まし、価値づける
~言葉で育てる”心”と”場”と”力”~」

2 テーマ設定の理由

2022年度の研究実践の成果と課題を職員間で共有し、次のような生徒の現状の姿が確認された。
 ・課題や他者の意見に対して素直な受け止めができる。
 ・その一方で、関心・探求心が薄く、学びが深まっていかない。
 ・教師からの指示によるものではなく、自ら発信する力と意欲に乏しい。
 ・学ぶ意義を見出すことや学習の価値を自覚することができていない。
また、職員の悩みとして以下の3点に関するものが多く見られた。
 ・生徒一人ひとりの見とりから成立する生徒主体の学び
 ・場をつなぐ役割としての教師の振る舞い
 ・適切な伝え方、指示の出し方、課題や資料の提示の仕方、動機付け、声かけ
そこで、2023年度のテーマとして、生徒主体の学びがある前提で、次の3つの内容を盛り込むように表現した。
 (1)授業を創る生徒と教師が、互いに認め励まし合う言葉を意識的に使うことで、一人ひとりの考えを尊重する”場”を作り出す。
 (2)教師が適切な言葉とタイミングで学習者である生徒の学びを価値づけていくことで、「協働的に深めたい」と思う”心”を育てる。
 (3)主体的・対話的で深い学びの実現に必要な”力”として、特に聴く力を養成していく。
以上のことから、2022年度の【Think&Link ~考えて繋げ、自分の考えはどうなるか~】からテーマを変え、主体的・対話的で深い学びの土台作りといえる部分に学校全体で(職員と生徒がともに)取り組んでいく。

3 今年度のポイント

(1)「〇〇しながら」聴くことを求める
 〇〇の例
 「共通点(相違点)はどこか比較しながら」「どうしてそう考えたのか想像しながら」
 「どこからそう考えたのか見当をつけながら」「自分はどう思うか考えながら」
 「矛盾しているところがないか探しながら」など

(2)他者の考え、試みを認める(受け止める)言葉かけを積極的に使う
 「あなたは〇〇と考えたんだね」「あなたはこの時〇〇に感じたんだね」

(3)フィードバック(評価)を積極的に行い、学びの意義や学び方の価値づけをする
 「Aさんは、〇〇に注目しながら筆者の意図に迫ろうとしたんだね。」
 「今日の話し合いでは、『なんで?』『でもさ、』という言葉をたくさん使いながら、相手の考えをもっと知りたいという、聞き方・深め方ができていました。」
 「今日はみんなで共有して【〇〇が起きたことによる~への影響】に迫ることができたと思います。でもさ、それは影響であって、目的が何かは明らかになっていないよね。次回はこの目的について、さまざまな人の立場から考えられると良いかもしれないね。」

4 研究組織

 研究推進委員会

委員長:柳沢

メンバー:校長・教頭・塚本・近藤・阿部・伊藤

5 研究内容

(1) 授業を構想するのに不可欠な3つのC
 ・内容Content(s)…生徒が理解されるように素材が変形されているか
 ・認知プロセス Cognition(Cognitive Process)…情動・素朴概念の素地
 生徒から見てどう見えているかを授業者が捉えられているか
 ・文脈・状況Context…生徒から発見していきたいと思わせるような仕掛けがあるか

(2) 授業の基本的な流れを全職員でそろえ、生徒が授業を受けやすい環境をつくる。
 (ア)本時の流れを授業の始めに示す。
 (イ)生徒への提示の仕方を統一する。(目標〇めあて×,振り返り〇感想やまとめ×)
 (ウ)文字(漢字)を正しく使う指導を心がける。
(文章中の漢字の割合 1年20%、2年25%、3年30%を目安とする)
 (エ)教師が話す時間の短縮化をする。
 (オ)単元計画を単元に入る前に配付して流れを伝える。計画性のある指導を心がける。

(3) 学習の見通しを持たせるために、単元計画をつくり生徒へ配付、説明をする。
作った単元計画は 共通 ⇒ 教科 ⇒ 単元計画 ⇒ 〇学年 に保存する。
<保存した資料は教科会などでも活用してください>

(4) 振り返りについて、実践した内容が妥当かどうかを職員間で相談し合える環境づくり。
実践した振り返り用紙は 共通 ⇒ 教科 ⇒ 振り返り ⇒ 〇学年 に保存する。
 <保存した資料は教科会などでも活用してください>

6 年間計画

  1. 3年研究授業---7月5日(水曜日)
  2. 1年研究授業ーーー10月4日(水曜日)
  3. 2年研究授業ーーー1月26日(金曜日)